再生医療（regenerative medicine）とは

「再生医療」とは、病気や事故などによって損なわれた人体の組織を再生させることを目指した医療技術です。
このアプローチはしばしば「根本治療」とも称され、喪失した組織や臓器を根本的に元の状態に回復させることを目指しています。
トカゲやイモリのように、彼らのしっぽが切断されても元に戻る現象が知られていますが、人間にもある程度の「再生能力」が存在します。ここでの再生能力とは、細胞の自己修復力を指します。
再生医療は、けがや疾患によって損なわれた機能を、細胞の自己修復力を活用して本来の状態に戻すことを志向する医療の一環です。



私たちの体内には、皮膚や血液など、一つひとつの細胞の寿命が短く、絶えず新しい細胞と入れ替わる組織が存在します。この絶え間ない更新を維持するために、失われた細胞を再生して供給する驚くべき能力を持った細胞が存在します。これらの特別な細胞を「幹細胞」と呼びます。
出生時には約60億個もの幹細胞が存在すると言われていますが、40歳ごろには約3億個まで減少するとされています。私たちの身体は、幹細胞の働きによって日々修復されているのです。そのため、私たちは年を重ねるにつれて、体内の幹細胞の数が減少し、修復能力が低下していくのです。

エクソソーム（Exosome）とは

エクソソーム（Exosome）とは、細胞から放出される直径が50から150nm（ナノメートル：10億分の1メートル）の微細な粒子です。これらの粒子は細胞膜由来の脂質やタンパク質が表面に存在し、内部にはマイクロRNAやメッセンジャーRNA、DNAなどの核酸やタンパク質など、細胞内部の成分が含まれています。



エクソソームは、細胞外小胞（Extracellular vesicle）というカテゴリに属し、この中にはエクソソームの他にもマイクロベシクルやアポトーシス小体が含まれています。これらの細胞外小胞は、それぞれ異なる産生機構や大きさを持っており、エクソソームとは区別されます。

エクソソームのはたらき

細胞同士のコミュニケーションにおいて、情報を保護しながら他の細胞へ伝達する役割を果たすのがエクソソームです。損傷を受けた細胞は、エクソソームが集まり、内部に含まれる遺伝子（メッセンジャーRNAなど）の働きによって、回復のための信号が隣接する目標細胞に送られます。特に、マイクロRNAは非常に壊れやすいため、そのまま細胞外に放出されるとすぐに分解されてしまうことがあります。しかし、エクソソームがマイクロRNAを内包して他の細胞へ運ぶことで、大切な情報は損なわれずに安全に伝達されるのです。このようにして、エクソソームは細胞間のコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしています。

培養上清液とエクソソーム

幹細胞を利用した再生医療は、患者の体外で育成された幹細胞などを、点滴や注射などを通じて体内に移植する手法を通じて、損傷を受けた臓器や組織を再生し、喪失した身体機能を回復させる画期的な治療法です。

同様に、幹細胞の培養過程から得られる「幹細胞培養上清」や「エクソソーム」も、幹細胞療法と同等の効果が期待されています。特に、間葉系幹細胞が分泌するエクソソームは、血管や皮膚の再生を助ける効果が高く、多くの炎症を鎮める効果が示されています。また、身体全体に広がっている組織内幹細胞の活性化を促進し、体の自然な再生を導く潜在能力が期待されています。

当院採用のエクソソームプレミアムについて

1ミリリットルあたりには1,000億以上のエクソソームが含まれています。これは完全に日本国内で製造されており、独自の培養技術「3D培養」を用いてエクソソームを豊富に生成することができるため、高濃度なエクソソームを抽出できます。このエクソソームには多くの成長因子が含まれており、特にEGF（上皮成長因子）の含有量は非常に高い水準です。

製造に関しては、日本国内の自社細胞加工所で特殊な細胞培養を行い、同じ工場内で製品化することで高い安全性を確保しています。培養からフリーズドライ加工に至るまでの工程を一貫して管理することで、品質の維持を徹底しています。

当院エクソソームの安全性について

①提供者（ドナー）候補：問診・スクリーニングを行います。（日本人女性：２０－３０代）

②提供者（ドナー）血液検査：血液検査にてパルボウィルス・B/C型肝炎ウイルス・梅毒・マイコプラズマ・ヒトT細胞白血病ウイルス・単純ヘルペスウイルス・ヒト免疫不全ウイルスの陰性を確認します。

③検体採取：病院より適切なルートを介して検体採取を行い、安全性を確保した上で検体搬送を行います。

④検体の初代培養実施。

⑤上清製造（製品チェック①）：無菌検査・エンドトキシン検査・マイコプラズマ検査

⑥フリーズドライ加工（製品チェック②）：外観・色調・性状・pHなど確認、正常なもののみ出荷となります。

動物性由来精製品排除

採用されているAOF+毒性成分排除培地は、AOF培地の利点に加えて、重金属などの有害な物質を効果的に取り除く特徴を備えています。この培地は、GHS（国際化学品安全性基準）に登録されている危険成分や、化粧品の原料として使用が制限されている成分を完全に排除することで知られています。そのため、使用に際しての安全性が最優先されています。

エクソソームプレミアムの持つ機能

損傷を受けた臓器や血管、加齢による影響を受けた皮膚など、多様な修復や再生の可能性が期待されています。

◎肌のターンオーバー促進

肌のターンオーバーを活性化させる働きがあり、肌トラブルに対してポジティブな影響を与える可能性があります。肌の健康状態は、ターンオーバーの乱れやバリア機能の低下などによって影響を受けます。エクソソームはこれらの問題を改善するメカニズムを持ち、健康な美肌を維持する手助けをするとされています。

◎コラーゲン・エラスチン生成

肌の真皮層に存在する繊維芽細胞に取り込まれると、これらの細胞が活性化され、コラーゲンやエラスチンといった重要な成分の生成が増加します。この結果、肌の弾力性が向上し、ハリやツヤが復活し、たるみも改善される可能性があります。

◎毛髪再生促進

毛髪の再生や薄毛治療にも活用されています。特に、薄毛やAGAの治療においては、エクソソームが毛根に適切な成分を供給することで、毛髪再生を促進します。これにより、毛包細胞の成長や増殖が刺激され、発毛や育毛がサポートされる可能性があります。同時に、傷ついた毛包や頭皮の修復も行われ、健康で丈夫な髪の成長を促進することが期待されます。

◎抗炎症作用・アンチエイジング作用

エクソソームは抗炎症効果や免疫調整作用も持ち、炎症や肌トラブルの軽減に寄与する可能性があります。また、血管再生や新生に関連する効果も期待されています。肌の老化によって血管が減少すると、肌組織への酸素や栄養供給が減少し、シミやしわの原因となります。エクソソームの抗炎症効果や免疫調整作用によって、炎症性の疾患であるアトピー性皮膚炎などにも改善の可能性がある一方、血管再生や新生作用によって肌の健全な状態を促進することが考えられます。

当院のエクソソーム使用について

◎ダーマペン＋エクソソーム塗布

ダーマペン注入は、肌の健康促進を目指す施術法です。この方法は、極細の針を使用して微細な穴を肌表面に開けることで、皮膚の自然な修復力を刺激します。ペンのような装置を使用し、振動させながら肌を滑らせる動作で、エクソソームと呼ばれる有益な成分を注入します。また、針の長さは0.1mm単位で調節可能であり、個々のニーズに合わせて適切に調整できます。

この手法は、目元や小鼻などの微細な部位にも精密にアプローチすることができます。さらに、従来の手法と比較して、痛みが少ないという利点もあります。ダーマペン注入により、皮膚細胞の活性化が促進され、コラーゲンやエラスチンの生成が促され、皮膚のターンオーバーも活性化します。このため、顔全体の若返りや美肌治療を希望する方々に特に適しています。

◎エクソソーム点滴

点滴を用いた施術は、エクソソームを血管内に投与し、身体全体に効果をもたらす手法です。この方法は、針を使用する美肌治療や頭皮治療だけでなく、免疫力の向上や疾病の予防にも効果があります。血管内皮細胞の炎症や酸化を抑制する作用により、損傷を最小限に抑え、柔軟性に富んだ血管の状態を促進します。



この手法は、エイジングケア、免疫療法、健康維持、疾病予防など、多岐にわたる側面にアプローチすることができます。さらに、点滴による投与は回復期間が不要なため、周囲の状況を気にせずに手軽に受けることが可能です。疲労回復を望む方や全身の若返りを目指す方にとって、理想的な施術として期待できます。

FAQ/よくある質問

Ｑ.　いつごろから効果を感じますか？

効果をしっかりと実感するには、1〜2週間に1度の間隔で3回ほど注入することをお勧めしています。AGA、薄毛治療の場合は、1回の施術で効果を実感するのは難しく、複数回施術を受けることが必要です。一般的に発毛や育毛の効果を実感するには半年〜1年程度の期間を要するといわれています。

Ｑ.　エクソソーム療法の副作用はありますか？

エクソソームは注射、点滴よる注入の際に、赤みや腫れ、かゆみなどがあらわれる可能性がありますが、このような症状は2〜3日ほどで治まることがほとんどです。

Ｑ.　エクソソーム療法を受けられない人はいますか？

アレルギーや服用中の薬などがある方、妊娠中や授乳中の方、薬物アレルギーのある方、悪性腫瘍治療中の方は治療を受けられない可能性があります。
治療前に医師に申告し相談をしてください。

Ｑ.　治療に適した1回のエクソソーム量は？

当院では効果を実感いただくために6ccからの投与をお勧めしています。希望があれば10ccなども対応可能です。お気軽にご相談ください。

Ｑ.　製剤の原材料はヒト由来のものですか？

原材料はヒト由来のものです。当院が取り扱うエクソソームは、日本人女性（20代）から採取した、ヒト脂肪由来のエクソソームになります。