ニキビ治療と漢方薬 ☆桂枝茯苓丸加薏苡仁・清上防風湯・十味敗毒湯☆
2023.06.18
医療情報トピック
ニキビの出来やすい人の特徴とは?
まず、皮脂分泌が多い人は皮脂が毛穴に詰まってしまいやすく、アクネ菌の繁殖を促すことがあります。
次に、ホルモンバランスの乱れがある人は、特に思春期や生理前などにニキビができやすくなります。女性の場合、妊娠や更年期などでもホルモンバランスが乱れ、ニキビができやすくなることがあります。
また、過度な洗顔やスキンケアをしている人は、肌を乾燥させることで皮脂の分泌を促し、ニキビの原因となることがあります。
さらに、ストレスが多い人は、ホルモンバランスを乱すことでニキビの原因となります。最後に、食生活が乱れている人は、栄養不足や食生活の偏りにより、肌の健康に必要な栄養素が不足し、ニキビの原因となることがあります。
ニキビの予防には、適切な洗顔やスキンケア、バランスの良い食生活、ストレス管理などが必要です。
ニキビ患者、特に女性の方で便秘を併発していることが少なくありません。その場合はミヤBM®などの整腸剤で対処することになります。
男性で皮脂分泌過剰によるニキビ増悪が認められた場合は、抗男性ホルモン作用が期待できる十味敗毒湯などが漢方薬として選択肢となります。
漢方はニキビ治療に以前から使用されていましたが、2008年にアダパレン、2015年に過酸化ベンゾイル(BPO)がニキビ治療の最前線に現れました。これは当時画期的な出来事であり、ニキビ治療のスタンダードを大きく変化させることとなりました。
その後発表された2017年の尋常性ざ瘡治療のガイドラインでは、以下のような変更点がありました。抗生物質の使用を避けるように推奨されたこと、レチノイドの使用について、適切な処方箋管理や患者の理解を重視、アクネ菌の感受性検査の推奨、最適な抗菌薬の選択などです。
アダパレン・過酸化ベンゾイル(BPO)の登場により、これまでの抗生剤治療というその場しのぎの治療から「非炎症性皮疹」にも対応可能な「維持療法」が標準治療となっていったのです。
そのような流れの中で、漢方による東洋医学はどのような位置づけとなったのでしょうか。推奨度は部分的にC1(選択肢の一つとして推奨する)とされており、エビデンスレベルは高くはないものの、考慮に値する選択肢と認められました。
ツムラ6番:十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は、漢方薬の一つで、体内に毒素が蓄積されているとされる症状に対して使用されます。主に熱や腫れ、発疹、咳などの症状を改善するために用いられ、炎症を鎮め、解毒作用を持つとされています。
十味敗毒湯は、桔梗(キキョウ)、麻黄(マオウ)、石膏(セッコウ)、芍薬(シャクヤク)、甘草(カンゾウ)、牡蛎(ボレイ)、茯苓(ブクリョウ)、桂皮(ケイヒ)、薑(ショウキョウ)、大棗(ダイゾウ)の10種類の生薬からなります。
十味敗毒湯には、中に含まれる複数の漢方成分が含まれており、それらの成分によって、体内の炎症や毒素を排出し、血流を改善することが期待されます。これにより、ニキビが引き起こす炎症や腫れを減らし、皮膚の状態を改善するとされています。
ツムラ125番:桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、体内の潜在的な病気や不均衡を修正するために使用されます。この漢方薬には、桂枝、茯苓、白朮、甘草、薏苡仁、人参などの成分が含まれています。
ニキビは皮膚炎症の一種で、主に顔、背中、胸などに現れます。ニキビは、毛穴が詰まっていることが原因であることが多く、炎症や腫れを引き起こします。桂枝茯苓丸加薏苡仁は、身体の不均衡を修正するために使用される漢方薬ですが、血液循環を改善し、体内の余分な水分を排出することが期待されるためです。これにより、身体の不均衡を改善し、ニキビを治療することができるとされています。
この漢方薬に含まれる成分には、瘀血(おけつ)や気血(きけつ)を調整する効果があります。
瘀血は、血液循環が悪くなることで起こります。これは、外傷、運動不足、冷え性、ストレスなどによって引き起こされることがあります。瘀血には、皮下出血、痛み、こわばり、腫れ、発赤などの症状があります。
桂枝茯苓丸加薏苡仁に含まれる桂枝は、瘀血を活性化する作用があります。茯苓は、水分代謝を改善し、余分な水分を排出することができます。白朮は、気血を補充することができ、薏苡仁は、体内の水分を排出する作用があります。
気血は、気と血液のバランスが崩れることで起こります。気血不足の場合、肌の乾燥やかさつき、貧血、めまい、頭痛などの症状が現れます。桂枝茯苓丸加薏苡仁に含まれる人参は、気血を補充する効果があります。
生理に関連してニキビが増悪する場合、アダルトアクネの漢方治療としてはこの桂枝茯苓丸加薏苡仁がよく選択されます。分布部位として『Uゾーン』にあるニキビ改善に期待できるとの臨床報告もあることから、若い女性によく処方される漢方薬です。
ツムラ58番:清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」は、漢方薬の一つで、風邪などの外感症状や、発熱、頭痛、のどの痛み、関節痛、咳、鼻水などの症状に効果があるとされています。
主な成分としては、防風、桂枝、芍薬、甘草、生姜、大棗などが含まれています。防風は、風邪や湿気による身体の不調を改善し、桂枝は体の表面の熱をとり、発汗を促進して解毒作用を持ちます。芍薬は筋肉痛や関節痛を緩和し、甘草は喉の痛みを和らげ、生姜は体を温める作用があります。大棗は、薬の味を和らげる働きがあります。
ニキビはストレスや内臓の不調、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。風邪や外感症状が起こると、身体の免疫力が低下して、疲れやストレスを感じやすくなります。また、身体の内部には毒素が蓄積されることもあります。こうした身体の不調が続くと、ニキビなどの肌荒れが起こることもあります。
「清上防風湯」は、身体の不調を改善することで、免疫力を高め、ストレスを軽減し、体内の毒素を排出する作用が期待できます。これによって、ニキビの改善につながる場合があります。
さらなるニキビ治療としての「LUXEA」
「LUXEA(ルクセア)」は、イタリアDEKA社が開発した美白治療器で、UPL(U-Shape Pulse Light)という幅広い波長の光を利用して、シミ、くすみ、そばかす、色素沈着などの改善効果が認められています。これまでに、フォトシルクプラスとして知られるイタリアDEKA社の美白治療器がありましたが、今回当院で導入した「LUXEA(ルクセア)」は、さらに進化した美白治療器として注目されています。☆ニキビのお悩みに☆
「LUXEA(ルクセア)」は、血管やニキビの赤みを吸収分解することができるため、炎症性ニキビやニキビ跡、赤ら顔の改善に効果があります。また、アクネ菌の殺菌作用もあるため、現在行われているニキビ治療にも期待できます。さらに、肌に起因する赤みや血管拡張による赤みも改善することができます。◎UPLとは
UPLは、IPLよりもメラニン粒子(シミの原因)の分解に優れており、薄いシミにも効果的です。また、コラーゲン生成作用により、お肌のハリと弾力が向上し、若返り効果が期待できます。赤みや毛穴の開き、産毛などにも効果があり、美白ケアや肌質改善を求める方に最適です。ぜひ、三鷹ヒロクリニックにご相談ください。